アフターコロナ 日本がリードする世界の新秩序
渡邊哲也 エミン・ユルマズ
民主党の政策は非合理的であり、経済理論としてあり得ないものだった。
その典型例が、政府の意図的な円高誘導であった。当然、国内産業の国際競争力が低下し、ただでさえ世界的な需要が減るなかで淘汰されることになる。また、余力のある企業は海外に活路を求めるしかない。これが今の日本企業の中国依存の元凶であり、日本のデフレと弱体化の要因であったといえる。
中国の票
国連は基本的に1国1票で、豊かな国も貧しい国も1票を持っていて、国連組織のトップは新興国から選ばれるのが慣例である。
中国は票を金で買って、結果的にそれを中国の票にしていた。
対中国戦略
アメリカは2030年までに戦車部隊を外す。戦闘機も減らす。その代わりに力を入れるのは海での作戦能力である。要するに太平洋で戦うということ。中国を海の上で封じ込めるということである。
コブラ・ゴールドという共同軍事演習が毎年ある。これまでこれは参加していたのは海軍と海兵隊だけだったが、2019年から陸軍がそこに加わっている。これは揚陸も含めた南シナ海の人口島の問題なども含めてのオペレーションの確認である。
ハリウッド
ハリウッドはアメリカの基幹産業である映画界をチャイナマネーで押さえてしまったところ、反日的要素の強い映画が何本か製作されたのもその露骨な影響である。中国のチベット弾圧に対し公然と批判を続けるリチャード・ギアは事実上、ハリウッドから追放状態にある。
2018年10月、マイク・ペンス副大統領のいわゆるペンス・スピーチで「北京はハリウッドが中国を極めて好意的に描くようそのつど要求し、そうしないスタジオとプロデュースを罰する」とはっきり言い切っている。
民主主義
民主主義の統治が及び限界に3億人までである。アメリカも3億人を超えた瞬間に民族問題や宗教問題などが起きて収集がつかなくなった。ヨーロッパも。
インドネシアは小さな国土面積に2億5000万ぐらいの人が住んでいる。数字的に限界に近い。
国家
アメリカと中国の最大の違いは、アメリカは戦争によって国家がまとまっていて、そこにアイデンティティーがある。自由を守る正義という名の。だから国家に対する忠誠心がある。中国にはそれがない。中国の正義って何かって言えば、中華民族による支配っていう大中華思想である。
中国が持っているアメリカ国債のことを心配している人がいる。そんな心配は必要ない。
I E E P A(国際緊急経済権限法)というのがあって、アメリカの国防安全上の重大な危機であると大統領が宣言した瞬間に、中国の手元にある米国債をチャラにできる。
経済規模
アメリカの経済規模をみんな勘違いしている。中国が2位になったとはいえ、アメリカはあいかわらずの世界1位の経済大国であり、1位と2位の差は歴然としている。今回の新型コロナウイルスショックも経済対策に6兆ドル出している。
インバウンドビジネス
中国人向けのインバウンドビジネスというのは、歪な成金主義的な爆買い目当てのツアーである。
なぜ爆買いするのか、転売目的である。中国では日本製の紙おむつや女性のデリケートな用品など、2倍、3倍、地方では5倍くらいの値段で売ることができる。それはやっぱり、自国の製品を信用していないということが大きい。
お金を落としたか
人数ベースでの観光目標をずっと掲げていたが、何人観光客が来たかではなく、どれだけ日本でお金を落としたかが重要である。
日本の電化製品のS O N YとかT O S H I B Aと書いてあっても、実際は中国で作っているわけであるから、日本の産業のプラスにはならない。
美味しいものを食べるとか、温泉に入るとか、和服を着て写真を撮るとか、そういった付加価値。観光において有効な付加価値を持たせていくべきである。
米上院
米上院は2020年5月20日に、米株式市場に上場する外国企業に経営の透明性を求める法案で、外国企業説明責任法を可決した。これは米国の会計監査の規制を遵守しない中国企業を念頭に置いた法案で、外国企業は3年連続して、アメリカの公開企業会計監視委員会の監査基準に満たさなかった場合、またはその基準に違反した場合、アメリカで上場廃止となる。またアメリカに上場する外国企業に対して政府の支配下にはないことを証明しなければならないとも規定している。
香港の一国二制度
日本企業としては、香港の一国二制度はものすごい意味がある。中国の国内法上、中国国内のデータは国外に持ち出せない。そのため、ほとんどの日系企業とヨーロッパ企業の中国支社のデータセンターは全部、香港においてある。
単純な話で、中国に盗られると困るから、中国本土には危なくて置いとけない。
基本的に北朝鮮のインフラは、旧日本統治下のモデルを現在も使っている。国章にも描かれている水豊(すぷん)ダムは併合時代に作られたもので、当時は東洋一の規模を誇るものである。この75年前に造られた水力発電所を北朝鮮は今も現役で使っている。
エルドアン政権は中国寄りの政策ばかりをやってきた。長年ウイグル人の権利を守ってきたトルコがエルドアン政権になってからウイグル人に背を向けた。中国政府がウイグル人の民族浄化を加速させたのはトルコの責任は重大である。トルコが声をあげれば中国のナチス的なウイグル人弾圧を止めることができた可能性が高い。
ウズベキスタンの議会で、ウズベグ語以外の言葉を使う公務員を罰する新しい法案が出された。ウズベグ語以外の言語というのはロシア語である。
ソビエト崩壊から30年で中央アジアの脱ロシアが最終局面に突入したということである。
2015年安倍首相は中央アジア5ヵ国を訪問、総額で3兆円規模のインフラ投資を約束してきた。
安倍首相はウズベキスタンとの間で成田との直行便を決めた。今回のコロナ禍では日本人はその直行便ルートで日本に帰ってきた。ウズベキスタン航空が日本のためにわざわざ特別便を飛ばしてくれた。
クルーズ船感染
アメリカのメディアもダイアモンド・プリンセス号については、バカにしたような書きっぷりでしたが、サンフランシスコ湾で同じようなクルーズ船感染が起こり、アメリカ側が血相を変えて麻生副総理に電話をかけた。
麻生さんが「散々(日本を)ボロクソ言っていたのはおたくの大統領でしょ。教えてくださいという前に謝るのが先だろ。そもそもダイアモンド・プリンセス号はアメリカの船じゃないか」て言ったという。国会でポロッと漏らした。
下記書籍参照